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「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑤ 〜『子どもが育ちたいように育つ』ことを支える〜

服、靴…。とこだわり満載だった我が子ですが、何より苦労したのは、トイレトレーニングです。


年中の頃には、失敗はありつつも、おしっこはできるようになりました。

でもどうしてもトイレに座る事ができません。排便は紙パンツにしていました。

体格が大きめな我が子は、「ビッグより大きい」サイズの紙パンツもきつくなってきました。私は、「いつまでこの状態が続くのだろう?」と不安になり、以前お世話になった心理の先生にこんな質問をしました。

「体がこれ以上大きくなると親の力でもトイレに座らせることができなくなる。

紙パンツへのこだわりがずっと続くのではないかと不安なのですが…。」すると先生は、


「排泄に関わる事は絶対に無理をしてはいけない。

無理してできるようになる保証はないし、無理強いすることで、人への信頼関係も崩れてしまう。

本人が『ここでする。』と納得しない限りはできるようにならない。

ただ納得するのが早まるよう、こちら側が色々な引き出しを用意し、繰り返し促していくことが大事。 その引き出しもパターン化しないよう、音楽・おもちゃ・お菓子・シールなど、様々なものを用意する。

それでもダメなら、時期尚早だと判断すること。」


と、教えてくれました。

先生のアドバイスを受け、


・ズボンをはいて、トイレのふたを閉めた状態で座ることから始める。

できたらご褒美シールを貼る。シールがたまったらお菓子と交換する。

・トイレで排便することの快適さを絵や文字で説明して伝える。

・「できたら特急に乗ろうね!」と、ご褒美のイベントを設定する。特急の写真を印刷し、トイレに貼る。


など、色々なことを試しました。そんな努力のかいもあって、その後、時間はかかりましたがトイレで排便ができるようになりました。私は、当時のことを思い出すと、『啐啄同時(そったくどうじ)』という言葉がうかびます。


『啐啄同時(そったくどうじ)』

鳥の雛は、卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてる。

それを聞きつけた親鳥は、すかさず外からついばんで殻を破る手助けをする。結局、「殻を破るタイミング」を決めるのは「雛自身」だということです。

これは、トイレトレーニングに限らず、親子関係においてとても大切なことだと感じます。


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心理の先生はのちに、


『「大人が育てたいように育てる」ではなく、「『子どもが育ちたいように育つ』ことを支える」』


という言葉も教えてくれました。

これは、「主体はあくまでその子自身である。」ということです。


自戒の念を込めて書きますが、我が子に障害があると自身の不安ゆえに、何よりも大切なその部分を見失いがちです。


だからこそ、あの頃から10年たった今でも、


「息子は、『自分が育ちたいように育っている』だろうか?」

「そして私はそれを支えられているだろうか?」


と、日々自分に問いかけながら、我が子と向き合っています。

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