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えがおのたねコラム
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑪〜「子育てをするうえでもっとも大切なこと・佐々木正美先生の言葉より」〜
我が子を授かってから繰り返し読んでいる本があります。 佐々木正美先生の本です。 佐々木先生は児童精神科医として半世紀以上もの間、子どもの育ちを見守り続けてきました。 そして、子育て中の親たちの悩みに耳を傾け寄り添ってこられました。 2017年に亡くなられましたが、 「子どもたちが幸せに生きるための『心の育て方』」 を学ぼうと、その著書は今でも多くの人に読み継がれています。 実は、そんな先生の息子さんも自閉症の特性があったそうです。 支援者であり保護者でもあった佐々木先生。 写真の2冊から特に印象深かった言葉をご紹介させていただきます。 『抱きしめよう、わが子のぜんぶ』 『わが子が発達障害と診断されたら』 🍀「親の理想を子に求めるのではなく、子にとっての理想の親になること」 佐々木先生は、 「『良い進路に進ませようと親が熱心になること』その行為は、 子どもを愛しているようで実は『わが子を自分の望むような子に育てたい』という親の自己愛である」 と書かれています。 発達障害に関しては、 🍀「発達障害の子が持つ弱いところは治らないし、治すべき問題では
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12月1日読了時間: 4分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑩ 〜「経験を積むことでの成長」〜
息子は就学前、2歳児クラスから「かしの木学園」。 3歳児クラスからは「松原学園」。 と、2つの児童発達支援センターに通いました。 そして、小学校・中学校と地域の支援級(知的クラス)に通い、今中学3年になりました。 10年以上たっても忘れられないできごとがあります。 かしの木学園の卒園式での出来事です。 私は、絵をたくさん使ったオリジナルのプログラムを作りました。 そして、一週間以上前からそれを見せて式の流れを説明しました。 さらに当日は、息子とそれを見ながら、 「『はじめのことば』だったね。」 「『園長先生のお話』終わったね。」 と、終わったものに一つ一つ線を引いて見せながら式に参加していました。 初めて経験する卒園式。 息子は緊張しつつも、そのプログラムを見ながら一生懸命頑張っている様子でした。 式が終わって記念撮影が始まりました。 (記念撮影はプログラムに書いてありませんでした。) みんながカメラマンの前に列を作っていきます。 私たち家族も列の中に入りましたが、今までの緊張がピークに達したのでしょう。 撮影の瞬間に大パニックになった息子は、み
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11月15日読了時間: 3分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑨ 〜「好きなことを大切に」〜
今も昔も子育てで大切にしてきたことの一つに、「本人の『好き』を大切にする」ということがあります。 電車が大好きな息子に付き添って様々な電車に乗る。 絵本も大好きなので、家族の図書カードで借りられるだけ借りてくる。 本人の「好き」に対しては、無理のない範囲で寄り添っています。 そんな息子の「好き」を、写真とともにお伝えしたいと思います。 1枚目の写真は、東所沢駅で貨物列車が来るところです。 背中からも喜びあふれる大ジャンプ!!(今よりスリムで軽かったです。) 2枚目は遊びに行った児童館で形ブロックを組み合わせて遊んでいます。 何をしているか分かりますか? 実はこれ、エレベーターを再現しています。 緑の△が「開くボタン」と「上」。 赤の△が「閉まるボタン」と「下」。 手元の青い2枚の四角がエレベーターのドアです。 自作のエレベーターボタンとドアを操作しながら、実に楽しそうに遊んでいました。 そして3枚目。 こちらは宅配便に入っていた発泡スチロールを見つけると、即座にホームドアに見立て遊んでいました。 いつも思うのですが、本人が大好きなもので、本当に楽
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11月1日読了時間: 3分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑧ 〜「らせんの受容」〜
〇自閉症への理解が深まったこと。 〇「他の子との比較」ではなく、「昔のその子との比較」で成長を考えられるようになったこと。 それらを通じて、少しずつ「わが子らしさ」が愛おしく思えるようになってきました。 とはいっても…。 小学校の長期休み。 お気に入りのキャラクターの登場を何十回も繰り返して見る息子。 「ウー・ウータン!げんき・げんき〜!!」 の声が、毎朝6時から部屋に響きわたります。 「繰り返しが落ち着くんだろうな…。」 そう思っても、しんどい時がありました。 今は、そこまで強いこだわりもなくなりました。 でも、中学生になると多くの子は、部活に入ったりしながら、自分の世界を築き上げていきます。 また、読む本や見る映画も、だんだん難しいものになり、親との会話も対等になっていきます。 息子では見られないそんな姿に、少し胸が痛くなる時もあります。 我が子の障害受容に関して、「らせんの受容」という言葉があります。これは、 「親には、我が子の障害を否定する気持ちと肯定する気持ちが常にあって、 この相反する気持ちがまるでリボンの表と裏が交互に現れるように繰
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10月15日読了時間: 2分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑦ 〜「縦軸と横軸」〜
人には興味がないけれど、エレベーターや数字が大好き。 気に入ったことは何度も繰り返し、こだわりが多くマイペース…。 幼少期の息子の様子です。 不可解な行動が多く、育てづらい我が子。 でも、自閉症や知的障害の学びが深まると、少しずつ息子の行動を理解できるようになりました。 そして小4の時、療育の先生に、 「『横軸』(他の子との比較)じゃなくて、『縦軸』(昔のその子との比較)でお子さんを見てくださいね。」 と言われました。 この「縦軸と横軸」にまつわる、こんなエピソードがあります。 息子が小2の時に、誕生日に自転車をプレゼントすることにしました。 「本人が望んだ。」というよりは、「自転車に乗れたらいいな。」という親の思いが強かったように思います。 補助輪付きの自転車を探しますが、小2でも体が大き目な彼に合うものはどこにもありません。 仕方がないので、22インチの自転車を買って、Amazonで探した補助輪をつけました。 誕生日当日。 少し大きめのその自転車に、おそるおそるまたがった彼は、 「もういいや。」 と言うと、それから二度と乗ろうとしませんでした
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10月1日読了時間: 3分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑥ 〜「尊重すべき一つの特性」〜
幼少期の息子は、衣服や排せつなど様々なこだわりがありました。 そして、自分の思い通りにならないと、パニックになる…。 そんな、生きづらさを抱えていました。 彼のことを少しでも理解したくて、発達のドクターや心理の先生のもとへ通いました。...
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9月15日読了時間: 3分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑤ 〜『子どもが育ちたいように育つ』ことを支える〜
服、靴…。とこだわり満載だった我が子ですが、何より苦労したのは、トイレトレーニングです。 年中の頃には、失敗はありつつも、おしっこはできるようになりました。 でもどうしてもトイレに座る事ができません。排便は紙パンツにしていました。...
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9月1日読了時間: 3分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで④ 〜こだわりへの対応〜
今回は、「息子の様々なこだわりにどう対応してきたか」をお伝えできたら。と思います。 息子が松原学園に通っていた頃、黄色いトーマスの服(長袖)しか着られなくなりました。 暑くなってもこの服しか着ない。 さらに、寝る時もこの服しか着ないので、眠った息子の服をそっとぬがして他...
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8月15日読了時間: 6分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで③ 〜いつも笑顔でいられる環境作り〜
2歳半でASD(自閉スペクトラム症)と診断された息子。 その時点で、「普通級に行くのは難しい。」と言われました。 そしてその頃やっと、「あか」「あお」と、初めての言葉がでました。 ただその後も、オウム返しやテレビで見たフレーズの繰り返しで、意味のあるやり取りはなかなかできる...
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8月1日読了時間: 2分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで② 〜「やりたい」という気持ちを育てる〜
ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けた我が子。 かしの木学園から松原学園に進んでも、激しいこだわりや癇癪が続きました。 私は、そんな息子への対応が分からず、本当につらい日々が続きました。 秩父学園のOT(作業療法)にも通いました。...
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7月1日読了時間: 4分
「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで① 〜『困った子』ではなくて『困っている子』〜
1月よりきなこに勤務している加藤です。 私の息子は、知的障害を伴う ASD(自閉スペクトラム症)です。 今きなこで働きながら、かつての息子や子育ての日々をよく思い出しています。 自分の経験が少しでもお役に立てたら…。...
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7月1日読了時間: 5分
余白の時間が生み出したもの② 〜A君とのお散歩での気づき〜
行きたい公園に行けず、パニックになったA君。 でも気持ちを切り替えて別の公園に向かうことができました。 BさんはA君の手を取り、歩いて5分ほどの公園へ向かいます。 順調に歩き出すA君。 でも時々、急に後ろに戻ったり横に行ったりします。...
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4月15日読了時間: 3分
余白の時間が生み出したもの① 〜A君とのお散歩での気づき〜
「『余白』の時間があったからこそ、よりその子が理解できて…。」 と話し始めた、きなこスタッフのBさん。 そして、先日あった出来事を教えてくれました。 きなこではよく公園へお散歩に行きます。 この日は近所のD公園に歩いて行くことにしました。...
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4月1日読了時間: 3分
それぞれの場所で頑張っている先輩たち 〜Linoの先輩に話を聞く会②〜
先日Linoで開かれた先輩に話を聞く会。 進学・就職・通所。と、3つのグループに別れて、様々な話を聞くことができました。 私は、支援学校の職業科を卒業して就労したAさんとBさんの話を伺いました。 Aさんは飲食業。Bさんは農作業の仕事をしています。...
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3月15日読了時間: 3分
それぞれの場所で頑張っている先輩たち 〜Linoの先輩に話を聞く会①〜
「先輩と語ろう会」 そう題された先輩に話を聞く会が、Linoで2月の土曜日に開かれました。 そしてこの日、5人もの卒業生が集まりました。 かつてLinoで楽しい時間を過ごしたからこそ、それぞれが、スタッフの呼びかけに応えてくれたのでしょうね。 5人の進路は、...
えがおのたね
3月1日読了時間: 3分
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