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「その子らしさ」を愛おしく思えるようになるまで⑬ 〜不安との向き合い方〜

前回、わが子の性格を「人の目を気にしない」「自分の思いに正直」と前向きにとらえてお伝えしました。

でも私自身、少数派の子育てにおいてこの「前向きにとらえる」ということが、とても難しいことだと日々感じています。


現代人が1日に受け取る情報量は、「平安時代の一生分」・「江戸時代の1年分」とも言われているそうです。

日々押し寄せるたくさんの情報で、普通の人でも不安感や不足感を抱きやすい世の中です。

まして少数派の子育てをしていたら、その思いは一層強くなって当然です。


以前、心理の先生が、

不安がある時ほど人は動く

という話をしてくれました。確かに不安は親のおおらかさを失わせ、

「子どもに対して支配的になったり余計な手助けをしたり」

という好ましくない関わりにつながりがちです。      

どうしたら親自身の不安を手放していけるのでしょうか?

私は、自分の子育てを通じて、以下のことが大切だと思いました。


🍀つながる…専門家に相談する・仲間を作る

まず一番大切なことは、適切な専門家とつながることです。

私は我が子を授かるまで、自閉症や知的障害についてほとんど知識がなく、それゆえ息子の言動の理由も、これからどう育つのかも全く分かりませんでした。

それらを教えてくれたのが医師や心理師・言語聴覚士など専門家の先生方です。


医師は3歳前の息子を見て、「この子は普通級に行くのは難しい。」と断言しました。

その時は大変ショックでしたが、今思えばあの言葉のおかげで息子の障害と向き合っていく覚悟ができたように思います。


それから言語聴覚士の先生の言葉も忘れられません。


息子は言語に困難があり、

・療育の時に先生の問いかけにうまく答えられない

・的外れな言葉を返す

ということが多々ありました。


でも先生は、いつも絶対に息子の言葉を否定しませんでした。

息子の言葉を受け止めながら、

・別の聞き方をする

・分かりやすくヒントを出す

などを通じて、息子の発語の意欲を育んでくれました。

そして、うまく言えた時には拍手したりしながら、ものすごく褒めて喜んでくれました。


ある日私が、

「先生の言葉の受けとめ方や褒め方が凄いですよね〜!」

と言うと先生は、

「この子が『ここが言いたいのだろうな』という事がわかるから。」

と笑顔でおっしゃっていました。私はこの言葉を聞いて、

「あぁ、そうか。

 その子に『話してもらおう』と思ってリアクションしているのではなく、

 その子の『話す事の困難さが分かっている』からこそ、そのような反応ができるのだな〜。」

と改めて気づきました。そんな経験から、

「その子の特性をしっかり理解する事で相手を受けとめ、尊重する事が出来る」

という事を教えてもらいました。


ただ、専門家にも色々なタイプの先生がいらっしゃいます。私が感じる良い専門家の方は、

・こちらの話をよく聞いてくれる

・子どもを直そうとしない

・その子の将来も見すえながら具体的なアドバイスをしてくれる

という共通点があるように思います。


また、親の会などに入り仲間を作るとことで色々な人の話が聞けます。

困っているのが「わが子だけ・わが家だけではない」と思える。

他の保護者と様々な情報交換ができる。

そんな時間を持つことは、親御さん自身の安心感につながっていくと思います。


🍀人と比べない

以前、えがおのたねで所沢市社会福祉協議会の鈴木喜代子さんの研修会がありました。

その時のテーマが、「障害があっても大丈夫!一人の人間として幸せな人生を歩めます」というものでした。

鈴木さんは、冒頭でその「幸せとは何か?」について話してくれました。それは、

「『人と比べる』のではなく、『生き生きとその人らしい生き方ができること』に価値をおく」

というものでした。

不足感を感じさせる現代ではなかなか難しいことですが、

「人とは比べず、『その子らしい生き方』を大切にする。」

そうすれば、その子のペースでの成長が感じられ、少しずつ不安な思いを手放していけるかと思います。


🍀その子を信じる

この前ある支援者の方が、

「子どもたちは、『この辺まで成長するかな』というこちらの考えを飛び越えてくる。」

「『何かができるようになること』だけが成長ではなく、本人のモヤモヤや葛藤も含めて、こちらが考えもしなかった姿を見せてくれる。」

と話していました。


子どもは家庭だけで育つのではなく、学校やデイ、地域など様々な場所で色々な人と関わりあいながら成長していきます。


・「(産まれてきて、生き続けている)子ども自身のたくましさを信じる」

・「歩んでいくのは子ども自身」   


これは、京都文教大学の大橋良枝先生のレジメにあった言葉です。


愛しいわが子だからこそ親は不安になります。

でも、自分の人生を切り開いていくことはその子にしかできません。


ゆっくりだけど、たくさんの『伸びしろ』があるわが子たち。

その成長を楽しみに、少しずつ不安を手放していけたらいいですよね。



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