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ありのままでいられる安全基地 〜Linoで過ごしていた子どもたちの今 ②

更新日:7月6日

中学校には通わずLinoで過ごしていた子どもたち。

今は、それぞれのペースで高校に通っています。


今でも時々Linoに顔を出す子。

顔は出さないけど、スタッフとLINEでやり取りをしている子。

本人の思いを第一に、Linoとも「つかず離れず」のほどよい距離です。


スタッフの豊国さんに、

「この何年かの子どもたちの様子で感じたことがあったら教えてください。」

と聞いてみました。


豊国さんは、

「穏やかになったな。と感じています。

 自分のペースで高校へ行って、学校の友達と遊びに行って。

 本当にすごいな。それだけでいいな。と思います。」

さらに、

「先々の人生についても自分でイメージしている。

自分のペースで。自分のやり方で人生を歩んでいるのを感じます。」

と話していました。


豊国さんのそれらの言葉を聞きながら、私は、

「自分たちの選択を尊重し、肯定的に見守ってくれる。

そんなスタッフがそばにいること。

それは、子どもたちにとって大きな支えになっているのだろうな。」

と思いました。


また、豊国さんが体調を崩した時に、他のスタッフへ心配してたずねる。

そんな優しい様子も見られたそうです。


さらに、何人かの保護者の方からは、

「家だけだったら限界だった。

 学校ではない、Linoという場所があることが救いだった。」

と言われたそうです。


確かに、「放デイ」というと、

小学校から高校までの子が、スタッフのもとで一緒に遊ぶ。

もしくは、就労のトレーニングのような、決められたプログラムを行う。

そのどちらかの事業所が多いように感じます。


Linoのように、子どもたち自身が主体で考え、遊びやお出かけを楽しむ。

そのような放デイはあまりありません。


不登校の子どもたちも、のびのびと過ごせたLino。

子どもたちだけではなく、保護者の方にとっても必要な場所だったのかもしれません。


豊国さんはさらに、

「不登校というのは、彼らの防衛反応だと思うんです。」

とも話していました。


自分自身を守るために、「登校しない」という選択をした子どもたち。

彼ら・彼女らにとって、Linoは、自分を守らなくていい。ありのままでいられる安全基地だったのかもしれません。



Linoでゆっくりと休み、力を蓄えた。

そんな時間が、高校という新たなステップにつながったような気がしました。

最後に私は、豊国さんに、

「子どもたちに向けて伝えたいことはありますか?」

と聞いてみました。


豊国さんは、

「無理せずに自分の人生を歩んでいって欲しい。」

と、優しい笑顔で答えていました。


Linoを通過点として、新たな場所で自分らしく過ごしている子どもたち。


Linoでのびのびと過ごした時間が、きっとこの先も子どもたちを支え続ける礎になると思います。

(sakuko)

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