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一年で変わった子どもたち 〜Linoの大掃除①〜

更新日:7月6日

自分が子どもだった時。

大人の「良かれ」という思いで何かをさせられて、かえってその事が嫌いになってしまったことはないでしょうか?

 

私は、ピアノがそうでした。

親に言われて習ってみたものの、どうにも「楽しい」とは思えない。

 

大人になった今、

「音楽に親しんでほしい。」

「楽器を弾けるようになってほしい。」

という親の思いもわからなくはないのですが、当時の私は、毎週のレッスンがただただ苦痛でした。

 

6年続けたピアノですが、結局、

「長い間習っていたのに、大して弾けない。」

という、音楽への苦手意識だけが植え付けられてしまったように思います。

 

今回、Linoのスタッフの皆さんから年末の大掃除の話を聞いて、ふとそんなことを思い出しました。

 

以前のLinoは、帰る前に子どもたちが掃除をする決まりでした。

それは、当時いたスタッフの、

「自立に向けて、掃除ができるようになってほしい。」

という思いがあって始めたことでした。

 

その頃、スタッフは毎回、

「掃除していくよ。」

「きれいにしてから帰るよ。」

と、子どもたちに声掛けしていました。

子どもたちは、あまり気乗りしない様子で掃除をしていたそうです。

 

でも、スタッフが入れ替わった一年ほど前から、

「子どもたちにとって居心地の良いLinoでありたい。」

「学校で掃除してきたのに、放課後にまたしないといけないのか?」

「他の子は、お家に帰ってほっとしている時間かもしれない。」

という意見が出ました。

 

そこで、職員が掃除をすることにしました。

すると、掃除を強制されないことで子どもたちが笑顔のまま家に帰るようになったそうです。

 

そして、昨年の12月27日。

この日は、スタッフで大掃除をするため13時半に閉所する予定でした。(普段は16時閉所)

事前に親御さんやお子さんには、

「短い時間になってしまうので、お休みでも大丈夫です。」

と連絡していたそうです。

それにも関わらず、いつもと変わらない10人くらいのお子さんが来所しました。

 

スタッフは、前もって掃除をしてくれそうな子2人に、

「良かったら残って手伝ってほしい。」

と、声をかけていました。

13時半になって、その子たちが掃除を始めると、その場にいた他の子どもたちみんなが、

「それじゃあぼくもやる。」

「家に帰っても暇だから。」

「俺も掃除するから残らせて。」

と言って、掃除を始めたそうです。

外を掃く子。「何かすることはないですか?」とスタッフに聞く子…。

 

掃除が役割だった時は、あまりやりたがらなかった子どもたち。

 

一年経って、自ら。そして、進んでやろうとする。

そんな姿に、スタッフは感動したそうです。

 

何が子どもたちを変えたのでしょうか?

次回はそのことについて考えてみたいと思います。

 

(sakuko)

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